「七草粥」
お正月にごちそうやお酒を楽しんで疲れた胃腸を休めるために、1月7日に食べるもの…と何となく思っている方が多いと思います。
私も以前はそう思っていましたが、実は、七草粥の起源は中国にありました。
初めに少しだけ『七草粥』についてお話しますね。
中国では古来より、正月から7日目を節目としており、その日に七種類の野菜を汁物にして食べると邪気を払えると考えられていました。
これが日本に伝わると、年の初めに草を摘む『若草摘み』と、結びついたと言われています。
その後、10世紀ごろになって、現在の‟(春の)七草”を摘んできて刻んでお餅と一緒にお粥にして食べることで病を防ぎ、健康を祈願するという現在の形になったそうです。
こので風習は、なんと平安時代にはもう伝わっていたと言われています。
七草粥は朝食か夕食どっちで食べる?
前日の夜に摘んできて..というワケには現代人の場合は行かないと思いますので、スーパーで買っておきます。
数日前から野菜コーナーに七草セットが並ぶので、手に入らない!ってことはほぼ無いかと思います。
これを7日の朝になるべく細かく刻んで、お粥にして朝食に頂きます。
7日は、中国から伝わった五節句の1つ、人日の日(じんじつのひ:人を大切にする日)であり、その日に七草粥を食べて、無病息災を祈るのです。
お正月も終わり、疲れた胃腸を労わるという意味でも、朝の空腹の時に食べるのは利にかなっていますね。
ここで注意したい事として、前日の夜ご飯は控えめに早めの時間に済ませるようにしておいてくださいね。
朝しっかりとお腹を空かせておくと胃腸が休まります。
身体を良い状態に持って行くためには準備も大事ですよ^^
七草粥の野菜の切り方ってどうしてる?
基本的には、葉物はお粥に馴染みやすく食べやすいよう、カブや大根はよく洗って葉物と火の通りが揃うように薄めに切ります。
スーパーで売っている七草粥セットに入っている小さなカブや大根でしたら、よく洗えば皮まで食べられます。
昔は、七草の歌を歌いながら包丁で細かく刻んでいました。
おばあちゃんから聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
歌詞は後程…
七草粥が苦手な人でも美味しく食べるには♪
七草には、春と秋の2種類があることをご存知でしょうか?
春の七草は、セリ、なずな(ペンペン草のこと)、御形(ごぎょうと読み、母子草のこと)、はこべら(ハコベのこと)、仏の座、スズナ(蕪のこと)、すずしろ(大根のこと)の7種類です。
秋の七草は、萩、オバナ(ススキのこと)、葛、なでしこ、女郎花(おみなえしと読む)、藤袴、桔梗の7種類です。
見ての通り、秋の七草は、ほとんどが観賞用として知られていて、食べることはほぼありません。
七草粥に使うのは春の七草ですが、スズナやスズシロが、蕪や大根のことだと分かると、身近に感じませんか?
それぞれ、消化を助けたり、喉の痛みを和らげたりと、薬草としての効能を持ったものです。
昔の人々は、今のように科学的な根拠が分からなくても、自然と取り入れていたのですね。
このように大地の恵みとパワーを身体に取り入れるという感じが良いのですけど、セリやナズナはほろ苦く、はこべらや仏の座は青臭いので、苦手な方もいらっしゃると思います。
でもせっかく食べるなら、体にいいからと我慢して食べるよりおいしく食べたいですよね。
それに、七種類全てが手に入らない時などは、堅苦しく考えずにあるものだけでも大丈夫です!
普通にスーパーで売られている蕪や大根なら手に入りやすいですし、好きな方はセリもおいしいです。
また、ブロッコリーや白菜を細かく切って入れても良いと思いますよ。
家族の健康を祈りながら、おいしく作っておいしく頂きましょう。
また、あの青臭さや苦みが苦手!という方には、おすすめをいくつか^^
◆食べ方アレンジ
・卵を入れて雑炊風。
万能に使える卵に助けてもらいましょう。まろやかになって我が家の子どもはするすると美味しく食べています!
・ごま油を少し足して韓国風に。
香ばしい香りに食欲をそそられて食べやすくなります。
胃腸を労わるための物なので、油分は控えめにしましょうね。
・牛乳や豆乳を少し加える。
野菜が柔らかくなってから最後の仕上げに入れます。火を入れすぎないのがポイント!
・しらすとのり、梅干しをトッピング。
塩気と磯の香りで食欲が増してきます。
・味噌を少し入れる
定番の味噌ですが、発酵の力で腸活!となりますね。
◆玄米もおすすめ♪
ちょっと別バージョンとなりますが、玄米で炊いたお粥もイケます♪
我が家では日常的に玄米を食べるのですが、圧力鍋をお持ちなら便利に美味しく炊けるのでおすすめです。
最近の炊飯器には玄米モードが付いている機種もありますし、それほどハードルは高くありませんね。
プチプチっと歯ごたえとモチっとした食感がクセになります。
まず玄米ご飯として炊いて、そこに水を入れて火にかけるとトローリ美味しい玄米粥ができますよ。
健康が気になる..という方はぜひお試しくださいね。
しかし、お正月が終わり仕事も始まるこの時期。
忙しい時はレトルトで簡単に済ませてしまうのもアリと思います♪
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まとめ
最後に、七草を刻むときの歌をご紹介します。
『七草なずな、唐土の鳥が、日本の土地に、渡らぬ(届かぬ)先に、トントンバタリ、トンバタリ~』
この歌詞、地方によって少しづつ違うようです。
渡らぬ先にの後に、七草なずなや、合わせて等の歌詞が入っていたり、最後のトントン…の部分が、ストントンストトンストトントン…だったり、テッテッテロロロ…だったり、同じ県でも地域で違い、様々なバリエーションがあるのです。
ですが意味は似ていて、唐土(中国)から渡ってきた鳥が農作物を食べてしまわぬように追い出すという意味です。
昔から、農業を生業としていた人々にとっては、切実な願いだったのですね。
人を大切にし豊穣を祈り、体を労わるために1月7日に食べる七草粥。
これからも季節の身近な歳時として、大切にしていきたいですね。